双眼鏡ブログを始めたのに光軸検査機の自作ネタばかりアップしていた管理人ねずみ。
やっと双眼鏡の話題に入ります
今回は
ねずみをビンテージポロの世界に引きずり込んだ双眼鏡「デルトリンテム1Q」モデルの話。
双眼鏡と言えばこのフォルムをイメージする人は多いと思うけど、その元祖がこのデルトリンテムらしい、ビンテージツァイスイェナの名作中の名作。
ちなみに1Qとは最高品質の製品につけられるマークでクオリティ1stの意味らしい、でもこの時期のデルトリンテムにはみんな付いてるので特に選別してるわけでは無いみたい。
現代の中級ダハ機しか覗いたことの無かった管理人ねずみにとってこのデルトリンテムの見え味は衝撃だった。
若干黄色系の着色があるものの中心部はクリアでシャープ、視界は広々として十分に明るい。
周辺部はボケも歪みもあるけどそれがまた中心部を引き立たたせる。
とにかく何気ない風景でもデルトリンテムで覗くと映画を見てるような気分になるのだ、これは一度味わうとやめられなくなる。。
このデルトリンテム、入手した時点でかなり程度が良くて整備の必要はないと思って使っていた。
でも長時間覗いていると目が疲れると言うか、ちょっと酔うような感じがあった。
そこで、自作した平行器で視軸ズレを確認してみると
・・・一見ズレは無いように見える。
しかしよ〜く観察して気付いた。
像の倒れがあるのだ😱
ちっちゃい丸の中に見えてるのが平行器のプリズムを通って来た画像、道路標識の柱の傾きが一致していないのがわかる。
遠くの鉄塔では像が重なっていて気付かなかったけど、近くのものを見ると像がズレるので倒れに気づきやすいみたい。
傾きを修正するにはプリズムの取り付け位置を微調整しないといけない。
どうせプリズム外すんならついでにクリーニングもしたいので思い切ってオーバーホールすることにした。
ちなみに、この時点でねずみは何台か双眼鏡のオーバーホール経験を積んでいる。
こんな記事書いといてオマエが言うなって感じだけど、知識の無い人がいきなり動作品のビンテージ双眼鏡をバラすのはやめて欲しい!絶対にどこか壊しちゃうから😅
まずはボロボロに壊れたどうしようも無いやつを入手してそれを出来るだけ修復することから始めると良いかな〜と。
双眼鏡メンテはちゃんとした道具も必要だし、一度手をつけると神経をすり減らすような作業の連続になるので、、そういうの苦手な人は手を出さない方がいいです、ホントに。
ところでこのQ1デルトリンテム
分解していくと各部品のクオリティがめちゃくちゃ良くて驚く、明らかに同時代の他の双眼鏡とは一線を画している!
そもそも外装のグッタペルカが破損も摩耗もしてない時点で異次元だけど、鋳造のクオリティも異様に良くて湯ジワやヒケが全く無い。
内部は全てつや消し黒に塗装されていてプリズム抑えのサビも出ていない、同時期のヘンゾルトなんか鋳巣だらけだったのにこの差はなんなんだ?
フォーカスリングだってヘリコイドの山が鏡面のようにピカピカ!各部の嵌めあいもキツすぎず緩すぎずのまさに絶妙。
プリズムも傷つけないように慎重に曇りを取り除いてピカピカに、いざ組み付け!
で、組み付けの段階でねずみはデルトリンテム1Qの弱点に気付いた。
これが像の倒れが起きたそもそもの原因と思われるが、プリズムの嵌め合いがかなり緩いのだ。
ポロの場合2つのプリズムがピッタリ直角に交差してないと像が倒れてしまうが、プリズムとボディの間にガタがあるので位置がピッタリ決まらない。
今までオーバーホールしたヘンゾルトとか1Qより古いデルトリンテムはプリズムの外周がしっかりカシメられていて、プリズムを戻すときは元と同じ位置にカッチリはまるようになっていたが、このデルトリンテムはそれがかなり緩い。
一応小さなカシメ跡はあるけどね・・・。
なぜそのような設計になったのかわからないけどコレがとにかく厄介だった。
とりあえず窓のサッシを見ながらプリズムの角度を調整してみたが、この方法では満足いくところまで追い込めなかった。
辿り着いたのはこの方法。
プリズム押さえの金具仮締めのままでプリズムカバーを付けずに対物レンズを取り付ける。
この状態で平行器を使って道路標識の柱を見て、角度ズレがあれば外からプリズムの端をつついて角度を変えるという方法。
角度が決まったら対物レンズを外して本組み付けを行う。
調整後はこんな感じ
道路標識の柱は同じ角度になってる。
このやり方なら左右の倒れ具合はかなり正確に合わせられるけど、共倒れになっちゃう可能性があるので最終的には感覚に頼ることになる
ねずみ的には今のところこれが最善の方法だけど、もっといい方法あったら誰か教えて欲しいな。。
視軸調整も平行器3台使って、眼幅60、64mmで内方ズレ1.5分以内、70mmで3分以内ってところまで追い込んだ。
すると調整前より格段に気持ちよく見えるようになって大満足!
ツァイス式は対物レンズを偏心させることで光軸を動かす仕組みだけど、左右とも少ない偏心量で視軸が合ってくるのはやっぱ1Qデルトリンテムの凄いところ。
・・・と、簡単に書いたけど視軸調整には結構な時間を費やしてます!そのへんの奮闘もまた記事にするつもり。
最後にデルトリンテム1QにiPhoneをあてて撮った写真をUPしておきます!
この赤の発色と周辺のボケがたまらないんだよね〜〜
鳥見にもオススメ。
なぜか実物より可愛く見える?
光学性能だけならもっといい双眼鏡はいっぱいあるけど、景色を鑑賞するならこういう雰囲気のある絵がいいよね!
ねずみのお気に入りビンテージポロ第一号
デルトリンテム1Qの話でした。
やっと双眼鏡の話題に入ります
今回は
ねずみをビンテージポロの世界に引きずり込んだ双眼鏡「デルトリンテム1Q」モデルの話。
双眼鏡と言えばこのフォルムをイメージする人は多いと思うけど、その元祖がこのデルトリンテムらしい、ビンテージツァイスイェナの名作中の名作。
ちなみに1Qとは最高品質の製品につけられるマークでクオリティ1stの意味らしい、でもこの時期のデルトリンテムにはみんな付いてるので特に選別してるわけでは無いみたい。
現代の中級ダハ機しか覗いたことの無かった管理人ねずみにとってこのデルトリンテムの見え味は衝撃だった。
若干黄色系の着色があるものの中心部はクリアでシャープ、視界は広々として十分に明るい。
周辺部はボケも歪みもあるけどそれがまた中心部を引き立たたせる。
とにかく何気ない風景でもデルトリンテムで覗くと映画を見てるような気分になるのだ、これは一度味わうとやめられなくなる。。
このデルトリンテム、入手した時点でかなり程度が良くて整備の必要はないと思って使っていた。
でも長時間覗いていると目が疲れると言うか、ちょっと酔うような感じがあった。
そこで、自作した平行器で視軸ズレを確認してみると
・・・一見ズレは無いように見える。
しかしよ〜く観察して気付いた。
像の倒れがあるのだ😱
ちっちゃい丸の中に見えてるのが平行器のプリズムを通って来た画像、道路標識の柱の傾きが一致していないのがわかる。
遠くの鉄塔では像が重なっていて気付かなかったけど、近くのものを見ると像がズレるので倒れに気づきやすいみたい。
傾きを修正するにはプリズムの取り付け位置を微調整しないといけない。
どうせプリズム外すんならついでにクリーニングもしたいので思い切ってオーバーホールすることにした。
ちなみに、この時点でねずみは何台か双眼鏡のオーバーホール経験を積んでいる。
こんな記事書いといてオマエが言うなって感じだけど、知識の無い人がいきなり動作品のビンテージ双眼鏡をバラすのはやめて欲しい!絶対にどこか壊しちゃうから😅
まずはボロボロに壊れたどうしようも無いやつを入手してそれを出来るだけ修復することから始めると良いかな〜と。
双眼鏡メンテはちゃんとした道具も必要だし、一度手をつけると神経をすり減らすような作業の連続になるので、、そういうの苦手な人は手を出さない方がいいです、ホントに。
ところでこのQ1デルトリンテム
分解していくと各部品のクオリティがめちゃくちゃ良くて驚く、明らかに同時代の他の双眼鏡とは一線を画している!
そもそも外装のグッタペルカが破損も摩耗もしてない時点で異次元だけど、鋳造のクオリティも異様に良くて湯ジワやヒケが全く無い。
内部は全てつや消し黒に塗装されていてプリズム抑えのサビも出ていない、同時期のヘンゾルトなんか鋳巣だらけだったのにこの差はなんなんだ?
フォーカスリングだってヘリコイドの山が鏡面のようにピカピカ!各部の嵌めあいもキツすぎず緩すぎずのまさに絶妙。
プリズムも傷つけないように慎重に曇りを取り除いてピカピカに、いざ組み付け!
で、組み付けの段階でねずみはデルトリンテム1Qの弱点に気付いた。
これが像の倒れが起きたそもそもの原因と思われるが、プリズムの嵌め合いがかなり緩いのだ。
ポロの場合2つのプリズムがピッタリ直角に交差してないと像が倒れてしまうが、プリズムとボディの間にガタがあるので位置がピッタリ決まらない。
今までオーバーホールしたヘンゾルトとか1Qより古いデルトリンテムはプリズムの外周がしっかりカシメられていて、プリズムを戻すときは元と同じ位置にカッチリはまるようになっていたが、このデルトリンテムはそれがかなり緩い。
一応小さなカシメ跡はあるけどね・・・。
なぜそのような設計になったのかわからないけどコレがとにかく厄介だった。
とりあえず窓のサッシを見ながらプリズムの角度を調整してみたが、この方法では満足いくところまで追い込めなかった。
辿り着いたのはこの方法。
プリズム押さえの金具仮締めのままでプリズムカバーを付けずに対物レンズを取り付ける。
この状態で平行器を使って道路標識の柱を見て、角度ズレがあれば外からプリズムの端をつついて角度を変えるという方法。
角度が決まったら対物レンズを外して本組み付けを行う。
調整後はこんな感じ
道路標識の柱は同じ角度になってる。
このやり方なら左右の倒れ具合はかなり正確に合わせられるけど、共倒れになっちゃう可能性があるので最終的には感覚に頼ることになる
ねずみ的には今のところこれが最善の方法だけど、もっといい方法あったら誰か教えて欲しいな。。
視軸調整も平行器3台使って、眼幅60、64mmで内方ズレ1.5分以内、70mmで3分以内ってところまで追い込んだ。
すると調整前より格段に気持ちよく見えるようになって大満足!
ツァイス式は対物レンズを偏心させることで光軸を動かす仕組みだけど、左右とも少ない偏心量で視軸が合ってくるのはやっぱ1Qデルトリンテムの凄いところ。
・・・と、簡単に書いたけど視軸調整には結構な時間を費やしてます!そのへんの奮闘もまた記事にするつもり。
最後にデルトリンテム1QにiPhoneをあてて撮った写真をUPしておきます!
この赤の発色と周辺のボケがたまらないんだよね〜〜
鳥見にもオススメ。
なぜか実物より可愛く見える?
光学性能だけならもっといい双眼鏡はいっぱいあるけど、景色を鑑賞するならこういう雰囲気のある絵がいいよね!
ねずみのお気に入りビンテージポロ第一号
デルトリンテム1Qの話でした。