今回は
当ブログの定番ネタ?
平行器(光軸検査器)の話の続きです。
続きと言ったって、最後に
平行器の記事を書いたのは
2021年の9月・・・
なんと3年近く前のことでした!
このブログを始めたのが
2021年の2月なので
今年で4年目に突入していますが
平行器作製の記事は
最初の半年に集中していて
それ以降はあまり
触れていなかったのです。
では今まで
何もしてなかったかと言うと・・・
そんなことはありません。
水面下?でちょっとずつ
平行器を進化させていましたよ
前回の記事で
その存在を匂わせたまま
封印されていたコチラの平行器も
公開しますので
最後まで読んでいただけると幸いです。
まずは
ねずみの平行器の歴史を簡単に
おさらいしようと思う。
最初に作ったのがコレ
第1世代と呼ぶことにする。
特徴としては
ジャンクカメラから取った
ハーフミラーと
ジャンク双眼鏡から取った
プリズムを使い
光軸の校正は3本のイモネジを
プリズムに直接当てて
その締め加減で行う
と言う強引な構造だった。
ネジを締めた時の
光軸の動き方が掴みにくく
校正に何時間もかかると言う
厄介な仕様であったが
シンプルな構造のおかげで
一度調整してしまえばほとんど
狂わないと言う良い面もあった。
そんな第1世代に限界を感じて
大幅な改良を加えたのが
この第2世代
第1世代の弱点である
校正の難しさを克服して
現在も最も活躍している平行器。
ねずみ独自のシーソー型の
光軸調整機構を組み込んだことで
校正に掛かる時間を大幅に
短縮した仕様となっている。
現在はこの第二世代をベースに
数々の改良を重ねて最終的に
以下のような仕様となっている。
まず、双眼鏡に当たる面には
植毛紙を貼って反射防止と
双眼鏡の保護を兼ねている。
調整ネジには全て真鍮を使い
アルミとの線膨張係数の差を
極力無くすことで
温度差による狂いを減らした
さらにシーソー構造の回転中心を
とがり先の止めネジから
真鍮の球で受ける構造に変更して
面圧を低減することで
耐久性を向上させている
光学系についても
ジャンク双眼鏡のプリズムから
既製品のプリズムに変更して
個体バラツキを減らすなど
2.5世代と行っても良いくらいの
改良を加えているのだ。
ちなみにこの仕様は
プロの方にも使って頂いており
ねずみの平行器開発の中で
一つの到達点だと思っている。
ねずみは
この第2世代をベースに
いくつかの派生型を作製し
テストしているので
それらを紹介していこうと思う
まずはこちらの平行器
前回の記事で、存在を匂わせたまま
ずっと公開していなかったモノ
なんだか扁平な見た目をしてますね、
そして覗き穴が真ん中にある。
内部構造はこんな感じ。
シーソー型調整機構を2つ
直列に配置して
手前側をハーフミラー(写真右)
奥側をミラー(写真左)
としている。
コイツは
左右の光路長を同じにすると言う
コンセプトで作ったもので
言って見れば双眼装置を
逆から覗いてるのと同じ構造なのだ。
・・・何が良いのかって??
まず通常の平行器は
左右の光路長が大きく異なっている。
眼幅60mmの平行器を
25mm角のパイプで作成したとすると
左の光路長が25mmに対して
右は85mmとなる
展開するとこんな感じ。
つまり右側は眼幅の分だけ
離れたところから覗いている
状態なので、右側の視界が狭く
像もやや小さく見えるのだ。
像の大きさが異なると
上下の誤差の判別が難しくなるので
平行器の左右をひっくり返して
同じ見え方になるところを探るなど
精密調整にはコツが必要となる。
実際の見え方がコチラ
それならば
双眼装置の構造を真似て
左右の光路長を同じにしてやれば
左右の像の大きさが同じになり
調整がやりやすくなると考えて
作製したのがこの扁平タイプだ。
結果は・・・
視界が極端に狭くて使い辛い。
ねずみはこの平行器を
40mm幅の角パイプで作ったので
光路長は左右とも
100mmになっており
通常の平行器の右側よりも
長くなってしまった。
展開すると。
通常の平行器では
左側の視界が広いので
ズレが大きい双眼鏡でも
左の視界で目標物を
捉えることが出来るのだが
コイツの場合
左右とも視界が激狭のため
それが出来ない。
さらに
視野が同じ大きさになったことで
左右の区別が付かなくなった・・・
よく考えれば当然ですね。
結局のところ通常の平行器でも
慣れてくれば
精密調整が出来るようになるし
視度望遠鏡等の低倍率の
単眼鏡を組み合わて
さらに像を拡大すれば
大きさの違いもほとんど
気にならなくなるので
双眼装置式の平行器は
特に必要性がなくなって
現在はお蔵入りとなっている。
何か良い改善案が見つかれば
復活させるかもしれませんけどね〜。
さて
次にねずみが試した平行器は?!
次回に続く。
当ブログの定番ネタ?
平行器(光軸検査器)の話の続きです。
続きと言ったって、最後に
平行器の記事を書いたのは
2021年の9月・・・
なんと3年近く前のことでした!
このブログを始めたのが
2021年の2月なので
今年で4年目に突入していますが
平行器作製の記事は
最初の半年に集中していて
それ以降はあまり
触れていなかったのです。
では今まで
何もしてなかったかと言うと・・・
そんなことはありません。
水面下?でちょっとずつ
平行器を進化させていましたよ
前回の記事で
その存在を匂わせたまま
封印されていたコチラの平行器も
公開しますので
最後まで読んでいただけると幸いです。
まずは
ねずみの平行器の歴史を簡単に
おさらいしようと思う。
最初に作ったのがコレ
第1世代と呼ぶことにする。
特徴としては
ジャンクカメラから取った
ハーフミラーと
ジャンク双眼鏡から取った
プリズムを使い
光軸の校正は3本のイモネジを
プリズムに直接当てて
その締め加減で行う
と言う強引な構造だった。
ネジを締めた時の
光軸の動き方が掴みにくく
校正に何時間もかかると言う
厄介な仕様であったが
シンプルな構造のおかげで
一度調整してしまえばほとんど
狂わないと言う良い面もあった。
そんな第1世代に限界を感じて
大幅な改良を加えたのが
この第2世代
第1世代の弱点である
校正の難しさを克服して
現在も最も活躍している平行器。
ねずみ独自のシーソー型の
光軸調整機構を組み込んだことで
校正に掛かる時間を大幅に
短縮した仕様となっている。
現在はこの第二世代をベースに
数々の改良を重ねて最終的に
以下のような仕様となっている。
まず、双眼鏡に当たる面には
植毛紙を貼って反射防止と
双眼鏡の保護を兼ねている。
調整ネジには全て真鍮を使い
アルミとの線膨張係数の差を
極力無くすことで
温度差による狂いを減らした
さらにシーソー構造の回転中心を
とがり先の止めネジから
真鍮の球で受ける構造に変更して
面圧を低減することで
耐久性を向上させている
光学系についても
ジャンク双眼鏡のプリズムから
既製品のプリズムに変更して
個体バラツキを減らすなど
2.5世代と行っても良いくらいの
改良を加えているのだ。
ちなみにこの仕様は
プロの方にも使って頂いており
ねずみの平行器開発の中で
一つの到達点だと思っている。
ねずみは
この第2世代をベースに
いくつかの派生型を作製し
テストしているので
それらを紹介していこうと思う
まずはこちらの平行器
前回の記事で、存在を匂わせたまま
ずっと公開していなかったモノ
なんだか扁平な見た目をしてますね、
そして覗き穴が真ん中にある。
内部構造はこんな感じ。
シーソー型調整機構を2つ
直列に配置して
手前側をハーフミラー(写真右)
奥側をミラー(写真左)
としている。
コイツは
左右の光路長を同じにすると言う
コンセプトで作ったもので
言って見れば双眼装置を
逆から覗いてるのと同じ構造なのだ。
・・・何が良いのかって??
まず通常の平行器は
左右の光路長が大きく異なっている。
眼幅60mmの平行器を
25mm角のパイプで作成したとすると
左の光路長が25mmに対して
右は85mmとなる
展開するとこんな感じ。
つまり右側は眼幅の分だけ
離れたところから覗いている
状態なので、右側の視界が狭く
像もやや小さく見えるのだ。
像の大きさが異なると
上下の誤差の判別が難しくなるので
平行器の左右をひっくり返して
同じ見え方になるところを探るなど
精密調整にはコツが必要となる。
実際の見え方がコチラ
それならば
双眼装置の構造を真似て
左右の光路長を同じにしてやれば
左右の像の大きさが同じになり
調整がやりやすくなると考えて
作製したのがこの扁平タイプだ。
結果は・・・
視界が極端に狭くて使い辛い。
ねずみはこの平行器を
40mm幅の角パイプで作ったので
光路長は左右とも
100mmになっており
通常の平行器の右側よりも
長くなってしまった。
展開すると。
通常の平行器では
左側の視界が広いので
ズレが大きい双眼鏡でも
左の視界で目標物を
捉えることが出来るのだが
コイツの場合
左右とも視界が激狭のため
それが出来ない。
さらに
視野が同じ大きさになったことで
左右の区別が付かなくなった・・・
よく考えれば当然ですね。
結局のところ通常の平行器でも
慣れてくれば
精密調整が出来るようになるし
視度望遠鏡等の低倍率の
単眼鏡を組み合わて
さらに像を拡大すれば
大きさの違いもほとんど
気にならなくなるので
双眼装置式の平行器は
特に必要性がなくなって
現在はお蔵入りとなっている。
何か良い改善案が見つかれば
復活させるかもしれませんけどね〜。
さて
次にねずみが試した平行器は?!
次回に続く。