前回に引き続き
実験的に作製した平行器を
紹介してこうと思う。
双眼装置型の平行器を作って
左右の像の区別がつかなくなる
と言う失敗を経験したねずみ。
それならば
左右の視界の色を変えてやれば
判別しやすくなるだろうと言う
安易な思いつきから
こんなものを入手してみた。
この独特の色味のガラス板は
「ダイクロイックミラー」
と呼ばれる特殊なミラーで
ハーフミラーと同じく
光の半分を透過して
半分を反射するのだけど
透過する波長と反射する波長を
キッチリ分けることが出来る。
簡単に言うと
赤い光を透過して
青い光を反射する。
これって、以前紹介した
ロシア製?双眼鏡の対物レンズに
施されていたルビーコーティングの
逆パターンなんですよね
ロシア双眼鏡の対物レンズは
反射が赤で透過が青だった。
対物側から見ると赤いけど
覗いた視界は真っ青・・・
ダイクロイックミラーが
どんな波長で光を分けているのか
確かめるために
簡易式の分光器で覗いて見ると
透過した光はこうで
反射した光はこう見える。
620nmあたりを境に
波長が別れている。
青の方は青だけかと思ってたけど
濃い赤以外のほとんどの波長が
含まれている。
だから白っぽい青に見えるのかな?
もうちょっと緑あたりで
分かれてるのかと思ったのだけど
結構偏ってるみたい。
何はともあれ
ハーフミラーの代わりに
このダイクロイックミラーを使えば
左右の判別は楽勝なはず!
早速、通常の第二世代を
ベースに試作機を作成してみた。
早速完成しました
なんでいきなり3台も作るんだよ
と言うツッコミが入りそうですね、、
相変わらずの量産癖が抜けてない。
ちなみに
サイドのキャップがねずみ色なのは
通常品との識別のためで
特に意味はありません。
双眼鏡に当てる側から見てみると
いい具合に色が分かれてる!
16倍の単眼鏡(双眼鏡の片側)
で覗いて校正を行ってみると・・・
あれあれ??
なんだかピンボケ?
山の稜線が少しズレているので
校正が取れていないことは
分かるんだけど
鉄塔の像がぼやけているので
正確な校正が出来ない。
試しに片側を塞いで
左右別々にピントを合わせてみる。
赤の像にピントを合わせると
青がぼやける。
青の像にピントを合わせると
赤がぼやける。
・・・なんだか
青の方はピントを合わせても
像が二重に見える気がするが
そこは一旦置いといて
左右同時にピントが合わない
理由を考えてみると
これはもしや
色収差と言うやつ?!
こういう説明図よく見ますよね
単レンズだと
赤と青の焦点距離が
ズレるところを
2枚のレンズ合わせて
補正してますよーと言うやつ。
当然
ねずみが調整用に使っている
16倍のタンクローも対物レンズに
2枚合わせの色消しレンズを
使っているのでキッチリ
補正されているかと思いきや
実際はもっと沢山のレンズの
組み合わせで出来ているので
色収差は思った以上に残っている
ってことなのかな〜と思う。
つまりは赤と青の焦点距離の違いで
同時にピントが合わせられないのだ。
この時点でなんだか使えなさそうな
雰囲気が漂ってきた・・・
なんで3台もこしらえたのか。
とりあえず
悪あがきで対策しようと
調整用の双眼鏡タンクローの
対物レンズに絞りを入れてみた。
レンズ直径が小さくなれば
色収差は減るはず。
ちょっとはマシになったかも!
片側づつ見てみると
なんとか左右の像の輪郭が
同時に判別できる程度に
ピントが合わせられた!
その代わりレンズの汚れが
目立つようになったけど
気にしない。。
これで一応、校正は取れたので
いざ!双眼鏡の視軸チェック
どうでしょう・・・
左右の判別は付くけど
なんだか昔の赤青の3Dメガネの
視界みたいで目がチカチカして
あまり見やすいとは言えない
感じになってしまった。
双眼装置型に組み込めば
それなりに効果はあるかもだけど
そもそも視界が狭いという
弱点があるので
最適解では無い気がする。。
左右で極端に色を変えると
色々弊害がある事が分かったので
もしやるのなら
薄めのカラーフィルターで
マイルドに着色するくらいが
ちょうどいいのかな〜?
というわけで、この
ダイクロイックミラー式も
一旦お蔵入りとしますが
ベストな着色については今後も
探って行きたいと思います。
さて次回は
いよいよ本当の進化版
第3世代の登場です。
お楽しみに!
実験的に作製した平行器を
紹介してこうと思う。
双眼装置型の平行器を作って
左右の像の区別がつかなくなる
と言う失敗を経験したねずみ。
それならば
左右の視界の色を変えてやれば
判別しやすくなるだろうと言う
安易な思いつきから
こんなものを入手してみた。
この独特の色味のガラス板は
「ダイクロイックミラー」
と呼ばれる特殊なミラーで
ハーフミラーと同じく
光の半分を透過して
半分を反射するのだけど
透過する波長と反射する波長を
キッチリ分けることが出来る。
簡単に言うと
赤い光を透過して
青い光を反射する。
これって、以前紹介した
ロシア製?双眼鏡の対物レンズに
施されていたルビーコーティングの
逆パターンなんですよね
ロシア双眼鏡の対物レンズは
反射が赤で透過が青だった。
対物側から見ると赤いけど
覗いた視界は真っ青・・・
ダイクロイックミラーが
どんな波長で光を分けているのか
確かめるために
簡易式の分光器で覗いて見ると
透過した光はこうで
反射した光はこう見える。
620nmあたりを境に
波長が別れている。
青の方は青だけかと思ってたけど
濃い赤以外のほとんどの波長が
含まれている。
だから白っぽい青に見えるのかな?
もうちょっと緑あたりで
分かれてるのかと思ったのだけど
結構偏ってるみたい。
何はともあれ
ハーフミラーの代わりに
このダイクロイックミラーを使えば
左右の判別は楽勝なはず!
早速、通常の第二世代を
ベースに試作機を作成してみた。
早速完成しました
なんでいきなり3台も作るんだよ
と言うツッコミが入りそうですね、、
相変わらずの量産癖が抜けてない。
ちなみに
サイドのキャップがねずみ色なのは
通常品との識別のためで
特に意味はありません。
双眼鏡に当てる側から見てみると
いい具合に色が分かれてる!
16倍の単眼鏡(双眼鏡の片側)
で覗いて校正を行ってみると・・・
あれあれ??
なんだかピンボケ?
山の稜線が少しズレているので
校正が取れていないことは
分かるんだけど
鉄塔の像がぼやけているので
正確な校正が出来ない。
試しに片側を塞いで
左右別々にピントを合わせてみる。
赤の像にピントを合わせると
青がぼやける。
青の像にピントを合わせると
赤がぼやける。
・・・なんだか
青の方はピントを合わせても
像が二重に見える気がするが
そこは一旦置いといて
左右同時にピントが合わない
理由を考えてみると
これはもしや
色収差と言うやつ?!
こういう説明図よく見ますよね
単レンズだと
赤と青の焦点距離が
ズレるところを
2枚のレンズ合わせて
補正してますよーと言うやつ。
当然
ねずみが調整用に使っている
16倍のタンクローも対物レンズに
2枚合わせの色消しレンズを
使っているのでキッチリ
補正されているかと思いきや
実際はもっと沢山のレンズの
組み合わせで出来ているので
色収差は思った以上に残っている
ってことなのかな〜と思う。
つまりは赤と青の焦点距離の違いで
同時にピントが合わせられないのだ。
この時点でなんだか使えなさそうな
雰囲気が漂ってきた・・・
なんで3台もこしらえたのか。
とりあえず
悪あがきで対策しようと
調整用の双眼鏡タンクローの
対物レンズに絞りを入れてみた。
レンズ直径が小さくなれば
色収差は減るはず。
ちょっとはマシになったかも!
片側づつ見てみると
なんとか左右の像の輪郭が
同時に判別できる程度に
ピントが合わせられた!
その代わりレンズの汚れが
目立つようになったけど
気にしない。。
これで一応、校正は取れたので
いざ!双眼鏡の視軸チェック
どうでしょう・・・
左右の判別は付くけど
なんだか昔の赤青の3Dメガネの
視界みたいで目がチカチカして
あまり見やすいとは言えない
感じになってしまった。
双眼装置型に組み込めば
それなりに効果はあるかもだけど
そもそも視界が狭いという
弱点があるので
最適解では無い気がする。。
左右で極端に色を変えると
色々弊害がある事が分かったので
もしやるのなら
薄めのカラーフィルターで
マイルドに着色するくらいが
ちょうどいいのかな〜?
というわけで、この
ダイクロイックミラー式も
一旦お蔵入りとしますが
ベストな着色については今後も
探って行きたいと思います。
さて次回は
いよいよ本当の進化版
第3世代の登場です。
お楽しみに!
コメント
コメント一覧 (2)
しかし,凄い実験結果ですね.
感服しました.
双眼鏡の対物レンズの色収差って,こんなに大きいんですかね.びっくりしました.自分でも色収差を計る機械を作ってみたくなりました.
そのスペクトルを出してる道具は自作ですか? ガラスプリズムではないですね.回折格子を使っている気がしますね.良く作りましたね.
下はオリンパスのHPに載ってたアクロマート等の色収差の出方ですけど,基本,アクロマートの焦点位置は放物線になるので,必ず同焦点位置になる色の組み合わせは2つあるわけです.
https://www.olympus-lifescience.com/ja/support/learn/04/016/
だから,上の図だとd線のちょっと左,550nmだったか,550オングストロームだったか辺りで,左右に真っ二つに分ければ,今の様な平衡器でも同じピントになるような気がしますが,たぶん眼の方の色感度が左の方(g線の方)に広いので,左右対称にならないのでしょうね.
だから,ダイクロックミラーではなくて,例えばc線付近だけ通すフィルターと,F線付近だけ通すフィルターを用意して,平衡器の左右の窓につければ行けるんじゃないかとは思います.
だけど,そこまでするかいな,ってところですね.
確かに,平衡器は重なってる像の,どっちがどっちだか分からなくなるので,双眼鏡の片方の対物レンズの前に,くるくる風車の様に回る回転シャッターでも付けようかなぁ,と考えた事はあります.
でも,双眼鏡の対物レンズというか,接眼レンズの出口までのトータルで色収差が,どのくらになってるのかを確認できる道具は・・・なんか欲しくなってきました.
mouse830
がしました
このブログも4年目になりますが
いつもコメントありがとうございます。
色収差についての情報ありがとうございます
フィルターを工夫すれば色を分けることは
出来なくは無さそうですね〜。
ただ、おっしゃる通りで
そこまでするかいな?と言う感じなので
あまり深追いしないことにします。
くるくる風車というのも面白いですね!
私もなにか他の方法を考えてみようと
思います。
双眼鏡の色収差を測る装置と言うのも
また面白いですね、
バンドパスフィルターを沢山揃えれば
作れるのかな??
いろんな双眼鏡をテストしてみたいです。
ちなみに
スペクトルを見ていた分光器は
1年前くらいにヤフオクかメルカリで
自作キットを販売されている方から
数百円程度で購入したものです。
回折格子と型紙が入っていて
自分で紙を切って作る感じでした、
今見ると出品が無いですね、、
mouse830
がしました