2021年09月

前回の記事で紹介した
改良版ねずみ式平行器
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コイツをもっとカッコよく
そして使い勝手が良くなるように
カスタムしてみる。


まず調整機構のネジ径をM3からM2に変更。
ネジピッチを細かくすることで
微調整しやすくした。
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ついでに鉄だったのをSUS製に変更。

少しでもケースのアルミとの
線膨張の差を小さくして
温度変化による狂いを減らそうという考え。

ちなみに各材料の線膨張係数を調べてみると
アルミ(A6063)  : 23.4 (×10^-6/K)

真鍮              : 19
SUS304       : 17.3

鉄                 : 12.1
ガラス(BK7)   : 7.1
となっている。
温度帯で変わるので参考値。

アルミか真鍮がベストだけど
高価で種類も少ないので
実際使うならSUSかな〜?


それにしてもアルミとガラスの
線膨張の差ってすごく大きい。

なのでねずみは
アルミとガラスを接着する時に
大きい面積でくっつけないように
注意している。
熱応力でガラスが割れるといけないのでね。
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ハーフミラーの場合
接着してるのは真ん中の黒い部分だけ。


話は戻って
次にケース内面の艶消し黒塗装と
プリズムのコバ塗り。
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ちょっと値が張るけど
スコープライフさんが出してる
光学部品専用の塗料を買った。

80mlってちょっとかと思ったけど

これ一生分の量あるわ。。


プリズムの方はケースとの接触面だけは

精度確保のために塗らないでおいた
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矢印の面は塗ってないんだけど

他の面を全部黒くすると
この面も見た目が黒に変わる!
なんでだろうか?不思議。


黒塗装で一番効果があったのは覗き穴内側。
アルミ切削面のキラキラが無くなると
大分覗きやすくなる。
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逆にそこ以外は
あんまり効果ない気がするけど、、
塗り残しがあると
気になっちゃうので
全部塗っといた。


その次は双眼鏡に当てる面に
艶消し黒のカッティングシートを貼る。
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これは双眼鏡見口の傷つき防止と
接眼レンズへの反射を抑えるため。
塗装だと削れちゃうのでシールにした。


最後に一番気になってたガラ空きの
ケース端っこにフタを付ける。
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フタ自作は結構大変なので
市販のパイプエンドキャップを使った。


会議机の足とかに付いてるやつ。
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そのままだと差し込み部が長すぎるので
左のように切り詰めておく。

フタをはめたら完成!
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自前で作ったモノを自前でカスタムして
楽しむという、ただの自己満足。


ところでこの平行器の調整をしていて
新たに気付いたことがある。

今回の調整機構は
覗き穴の上下に付いてるのが
上下調整ネジ
左右に付いてるのが左右調整ネジ
となっていて

X-Yの調整を完全に分けたつもりだった。

でも実際やってみるとこんな動きをする。


右を回すと
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こんな感じで目標物が斜めに動く。
平行器_調整2


左を回すと
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こんな感じ。
平行器_調整1
最初に作ったやつが
たまたまそうなるのかと思ったら
量産した全ての個体がそうだったので
ちゃんと検証してみると、、


左右調整ネジを締める前の状態を
横から見るとこんな感じ。
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ネジを締め込んでいくと
調整機構のある面が弓なりにたわむ。

かなり大げさに描くとこんな感じ
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垂直の面がたわむと
ミラーを接着している水平の面が上に動いて
ミラーの反射面が下を向く。


すると視界が下に動いて目標物が上に動く
と言う原理のようだ。



これが何を意味するかと言うと
上下の調整ネジを使わなくても
左右のネジだけで

調整出来てしまうという事!

例えばこんな感じ。

左下にいる目標物を
真ん中に持って行きたければ
平行器_調整3

う〜む、

ネジ2本で調整出来て便利ではあるが
思ってたのと違う動作で
なんだかモヤモヤする。

なにはともあれ
使いやすい平行器が出来たことには
変わりないのでコレで良しとします!



色々やってるうちに
平行器だらけになってしまった。
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一番後ろの列はボツになった試作品
その前の列は最初に作った3台
その前のは今回作った改良版3台
一番手前がカスタム仕様と製造中のやつら。


おまけに新構造も開発してたりして、、
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こちらの詳細はまだ秘密ですよ〜。


双眼鏡調整の道具を揃えるために
作り始めた平行器だけど、

最近これを作ること
自体が
楽しくなってしまっているので
今後も改良を続けていくつもり。


以上、改良版平行器の製作でした。

改良版平行器の製作を始めたねずみ。

アルミ角パイプを愛用のピラニア鋸で
切断するところから始まる
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この鋸スゴく切れるんだけど
手作業は疲れる。切断機が欲しいな〜


一気に3本切り出した。
今度は眼幅違いの3台を一度に作ってみる
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何気にこの角パイプのケースが
ねずみ式平行器の肝になっている。

平板やLアングルの上に部品を組み付けて
後からカバーを付ける方法もあるけど
角パイプでモノコック構造にする方が
剛性が高くて狂いにくいと思う。

調整ネジも
外からアクセス出来るので
カバー取り付けによる歪みもない。


このパイプの精度は結構重要。
端面は穴の位置をケガく時の
基準にするのでしっかり研磨して
直角を出しておく。
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続いて、L字アングル材を使って
ミラーベースを3つ作る
カットする前に覗き穴を開けておくと
効率が良い。
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・・・ねずみはどうも量産癖があるようで
こういうものを作り始めると
生産効率を上げて量産したくなってしまう。

以前、アルミ缶を使った
アルコールストーブの自作にハマった時も
加工用の治具まで作って大量生産していた。
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アルコールストーブってこんなやつね、
山でお湯沸かしたり出来る。
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一台づつ完成させていくよりも
各工程を流れ作業して大量生産出来ると
なんだか気持ちが良いのだ

結局使うのは一個だけなんだけどね。。




話は平行器に戻って

プリズムは例によって

ジャンク双眼鏡から取ったやつ。
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不要部分をダイヤモンド砥石で削って
サイズを合わせる。

手作業なので、1個削るのに

30分くらいかかって非常に効率が悪い。
これからは市販品を買おうかな〜

これが出来上がった一台分の基本部品
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調整機構をハーフミラー側に
集約したことで部品点数も抑えられた。


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これが3台分。


組み付けも3台づつの流れ作業

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調整機構がある垂直の面(覗き窓の方)は

ネジの軸力で結構歪むので
歪みの影響を受けないように
ハーフミラーは水平の面に接着。


ハーフミラーのモジュールと
プリズムをパイプの中に固定すれば
組み付け完了。
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調整はこんな感じで
デジスコ用の架台やらいろいろ
組み合わせた台にセットして行っている。
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16倍の双眼鏡で覗きながら調整
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秒単位で合わせるには
高倍率の双眼鏡か単眼鏡が必須。
片目しか使わないので
視軸のズレてるジャンク品でOK

肉眼では絶対無理ですよ〜


調整が終わったらレーザーポインター
使って眼幅チェック
写真は眼幅64mmのやつ。
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プリズムの取り付け位置で
眼幅を変えられるのでズレていたら再調整。


調整出来たら完成!
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調整機構の改良によって
調整にかかる時間が大幅に短縮出来た

以前は最長1時間かかっていたところ
コイツは大体3分以内で合わせられる。
一体いままで何に時間使ってたんだか、。



ところでこの平行器。

ケースの端っこがガラ空きだったり
見た目的にイマイチ洗練されてない
感じしますよね。


次回はこの平行器を
カッコよくカスタムしちゃいます!!

その3に続く

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