これからプリズムの微調整

ネジの締め加減でプリズムの傾きを調整しようと思って沢山イモネジを付けたけど自由度がありすぎて逆にやりづらい事に気付く。
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左側2本はビームスプリッターを固定するだけのネジで調整には使わない。

右側手前の面についてる2本はプリズムの上下調整用で、上を締めればプリズムは下を向き、下を締めればプリズムは上を向く。
しかしプリズムの左端を押してるので、締めるほどプリズムが右回りに回転してしまって視界が右にズレる。。

上面に付いてる2本は上下左右の微調整用。
プリズムの下面にはマスキングテープが一枚貼ってあってイモネジの締め加減で僅かにプリズムの傾きを変えることが出来る。


この2本も締めて行くと上下左右が同時に動くことが分かって調整は困難を極めた...
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ちなみにケースから飛び出してる黒いものは、ケース内部の反射を抑えるために仕込んだ黒い厚紙。
プリズムからビームスプリッターまでの光路を囲むように入れたがこれはあまり意味が無かったみたいで無くても見え方は変わらない。


微調整にはPENTAXの16×24逆ポロ双眼鏡を使う、これは平行器の調整のためだけにジャンク品をヤフオクで購入したもの。
最初は肉眼でやろうとしたけど平行器を通した小さい視界で3キロ先の鉄塔にピタリ合わせるのは不可能だった。マサイ族みたいな視力があれば出来るのかな〜?
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真ん中のカバーを剥がしてこんな感じで使う。
平行器の当たる面が平らになってるのでとっても使いやすい。右目の視度調整が効かなくなってた故障品だけど左しか使わないので全然OK
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調整前の視界
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鉄塔が2本に見える、山の稜線もずれていることが分かる。


これが調整後の視界
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左右の視界がピタリ重なって鉄塔の鉄骨が一本に見える。ちょっとでもズレてると鉄骨が2本にブレて見えるのですぐに分かる。
手前の波状の電線が横にズレてるのが見えるけど、これは電線がかなり手前にあるからで無限遠に平行を合わせると近くのものは眼幅の分ズレて見える。

んで結局この初号機の調整には半日かかった
可動部品を極限まで減らしたおかげか、一度合わせてしまえば適当に扱ってもズレることは無いみたい。

2号機、3号機を作る時にはもっと調整しやすいように構造を見直さないといけない、ビームスプリッターもそう手に入るものじゃないし。

ん?一台じゃダメなのかって?

その4に続く

なんとなく頭の中に描いた設計図で作り始めた
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まずはケースの製作

25mm角のアルミパイプから切り出して覗き穴を開ける。電動工具は持ってないので全てハンドツール!3時間くらいかかってやっとケースを削り出せた。


この中に収めるのはビームスプリッターと、ジャンク双眼鏡から取り出したプリズム。
ビームスプリッターの方はまともに買うとすごい金額だけど、たまたまヤフオクで中古品を格安で入手出来たのでコレを使う事にした。
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右側のプリズムは見慣れない形と思うかもしれないけど、普通のポロプリズムをダイヤモンド砥石で削って角を落としたもの。そのままだとケースに入らなかったので手作業で1時間かけて削った。


問題はどうやって光軸の調整機構を組み込むか。すでに自作されている先輩方は結構凝った構造で機械的にミラーの位置を調整出来るように工夫されているみたいだけど、ねずみはもっと原始的な方法でトライしてみた。

簡単に言うとビームスプリッターとプリズムをそのままケースの中に入れてイモネジで締めるだけ。IMG_0711

視界のズレはケースの端からプリズムをいじって調整して後はイモネジの締め加減で微調整しようという作戦。

最初に組む時に重要なのはまずプリズムの幅方向の位置を合わせること。
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眼幅64mm狙いで覗き穴を開けたのだけど、中の反射面どうしの間隔もピッタリ64mmにしないと覗いた時の丸い視界がズレる。

下は眼幅調整後の写真で、覗き穴のなかに見える小さい丸が右側の視界。丸の中心が一致していれば原理的には64mmに合わせた事になってるはず。
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視界の左右ズレもここで大体合わせとく。
遠くに見える鉄塔を見ながら左右一致したところでイモネジを締めてプリズムの位置を決めて・・・

ここからが大変!微調整に続く。

双眼鏡のブログを始めるのに最初のネタが平行器って...
高級双眼鏡を並べて見え味の比較をする。
そんな記事を書いてみたいもんですが、管理人ねずみのお小遣いでは無理なので自作平行器の話です。

平行器、正しくは携帯用光軸検査器というみたいだけど
平行器って名前の方がネット上でよく見かけるのでそう呼ぶことにする。

オールドポロ機にハマって中古品を漁っていたねずみ。いざ手に入れて覗いてみるとしっくり来ないものが結構多かった。
物が二重に見えるってほどではないけど目が疲れる、というか脳が頑張って合わせに行ってる感じがする。そんな双眼鏡を覗いてると景色を楽しむどころじゃ無い。


逆に違和感なく自分の目の延長のようにスーッと景色が入ってくる双眼鏡もあって今使ってるオーバーコッヘンがそんな感じ。

では、見て疲れる双眼鏡はどれくらい視軸がズレてるのか?というのを目だけで判別できないのが厄介なところ。

ちなみに管理人ねずみは過去に「視力回復3D絵本」にハマったことがあり平行法と交差法という特殊能力?を身につけている。視力は回復しませんでしたけどね。
双眼鏡を見ながら平行法をすると左右の視界を別々に見ることが出来るので、高さのズレはなんとなく分かって便利。でも横のズレは正直分からない...
これはやっぱり平行器が必要だなと。


平行器とは双眼鏡の視軸のズレを調べる道具でコイツを通して覗けばズレが一発で分かるという代物。

双眼鏡に興味を持つまでは存在すら知らなかったこの道具、調べて行くと日本望遠鏡工業会さんから販売されていたようだけど、現在は在庫なしとなってる。
http://www.jtmas.jp/tech/inspection_tool_lamp_list200923.pdf

んで、さらに調べて行くと自作してブログ等で紹介されている方もいる。特にYAMACAさんと言う方のページが参考になりますね。

これはやるしかないですね〜〜。

はじめまして
双眼鏡大好き管理人のねずみです。

双眼鏡に関することや工作の話
その他諸々の関心事を書いていこうと思います
どうぞよろしくお願いします。


ざっくり自己紹介すると
男性、中年、機械系、職人気質?
光学の専門知識は無いただの素人。

鳥とか星とか決まった対象は無くて何でも見る、見たものよりもむしろ双眼鏡の性能に感動するタイプ。

6年ほど前に双眼鏡にハマりkowa BD25-8を購入。その後5年間、旅行や登山どこに行くにもこの1台を持ち歩く。

そして去年。
ネットでの評判を見てなんとなく購入したCARL ZEISSデルトリンテム1Qの見え味に心を打たれ、それまで全く興味の無かったオールドポロ機にどハマりして
国内外の手頃なポロ機を買い漁ることに。


収集した双眼鏡には機能不全のものが多かったが機械系の血が騒いで自身で修理を始める。
何台か上手く修理出来てちょっと自信がついてきたところ。

ちなみにまだ現代のハイエンド双眼鏡は覗いたことが無く、自身でオーバーホールしたCARL ZEISS 8x30Bオーバーコッヘンモデル後期型が最高の光学性能!と今は思っている。

これからどんな素晴らしい双眼鏡に出会えるか、双眼鏡整備のノウハウを身につけられるか?!ワクワクしている。

そんな管理人ねずみです。

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