Canon10×30IS防振双眼鏡の整備中に
像の倒れに気付いてしまった
管理人ねずみ。
FullSizeRender

クリーニングを終えて組み上げた
10×30ISを再度分解して
プリズム単体の倒れチェックを
やってみることにした。

FullSizeRender
まずは左右の倒れ差チェック
FullSizeRender
見た感じ1°くらいはズレている
どちらか、もしくは両方のプリズムに
倒れがあるに違いない。


次に絶対的な倒れチェック
まずは左側。
FullSizeRender
ほぼ倒れ無しの良好な結果。
FullSizeRender

続いて右側。
FullSizeRender
こちらはおよそ1°の倒れがある。
FullSizeRender
原因は右側だった。
単体でみると像の倒れ1°は
ギリギリ許容範囲ではあるが
左右の倒れ差はJIS一般品でも
40分以内なので規格NG。

前にも書いた通り、このプリズムは
全て貼り合わせで出来てるので
使用中にズレることは絶対に無くて
製造時からこの倒れがあったって
ことになる。


それにしても世界のCanonが
こんな状態で出荷するだろうか、
検査で引っかからなかったのか?
FullSizeRender
不思議に思いつつ
左右のプリズムをよーく見てみると
右側だけ鉛筆で丸印が書かれている
ことに気が付いた。
右プリズムに何かあったのだろうか?
そういえば、左プリズムだけ曇ってて
右はクリヤーだったのも
なんだか腑に落ちない、
ディオプターがある右側の方が
グリスの揮発で先に曇りそうなのに。

ひょっとして過去に修理を受けて
右側だけプリズムを交換されたのか?
だとすると
交換品に倒れの大きいものが
使われたことになるが・・・
真相はわからない。

倒れがあるのは事実なので
なんとか修正したいのだけど
プリズムを交換せずに修正するには
プリズムどうしの接着を剥がして
角度修正するしか手がない。

すでに感覚が麻痺しているねずみは
この方法を選択したのだが、、
プリズムの接着を剥がすなんてのは
ほとんど破壊に近い行為なので
絶対に真似しないでくださいね!


まずプラスチックのケースから
プリズムを土台ごと引っ剥がす。
土台の金属プレートはネジと接着剤で
ケースにガッチリ付けてあって
やはり分解前提の構造じゃ無い。
FullSizeRender
それから
貼り合わされた3つのプリズムのうち
唯一剥がせそうな位置に付いてる
やつを剥がしにかかる。

熱湯に浸けたりコジッたり
1時間ほど格闘してなんとか剥がした
FullSizeRender
力ずくで外そうとした時に
金属プレートがたわんで
プリズムの角に接触したせいで
矢印の部分が欠けてしまった。
運良く光路の外の部分だったが
こう言うことが起きるので
やっぱりオススメはしない。

しかも。
プリズムの間に挟まってる
遮光環の役割と思われる黒いシートが

接着剤と一緒にボロボロに
なってしまった。
FullSizeRender

なのでこれもなんとか再生してみる
FullSizeRender
まず光路の部分を
丸くマスキングしてから
極薄グラファイト塗膜を形成出来る
「ファインスプレーブラッセン」
で塗装する。
FullSizeRender
ガスコンロで焼き付けてやると
強固な皮膜が出来て遮光性もバッチリ。
・・ってこれも
本来の用途では無いので
全くオススメしません。


そしてこのプリズムを
倒れを確認しながらUVレジン
「パジコ星の雫」で貼り合わせていく
IMG_7846
貼り付けるプリズムを
上下方向に回転(チルト)させると
像がどちらかに回転していくので
倒れが0°になった瞬間に
UVライトを照射して固める。

この作業は非常に難しかったが
悪戦苦闘しながらも
結果的にはほぼ倒れ0°の状態で
接着することが出来た
FullSizeRender
昼間やると日光でレジンが
固まってしまうので夜にやるのがコツ。
かなり接着力が強いので
やり直しは出来ない一発勝負。

こちらが貼り合わせ後のプリズム。
FullSizeRender


プリズムを貼り合わせたことで
また視軸が大きくズレたので
再度、対物レンズ位置で調整をかける。
FullSizeRender
今度は内方ズレ約2分に調整した。
やっぱりちょっとでも
外方ズレがあると違和感が出るので
弱内方ズレの方が良い。


視軸はなんとか調整出来たものの
プリズムの位置が変わったせいで
光路長が変わってしまったようで
ディオプターの0位置がかなりズレた。
FullSizeRender
もちろんディオプターも再調整
出来る構造にはなってないので
このまま使うことにする。



今回こだわって直した像の倒れは
道路標識を使った最終チェックでも
問題なし
FullSizeRender


こんなに苦労すると思ってなかったけど
奇跡的に?蘇った10×30ISの性能は
本当に素晴らしい。
FullSizeRender
写真では伝わらないと思うけど
視界はクセが無くクリヤーそのもの
スッキリ明るくて着色もほぼ感じない。

歪みも少なく端までフラット。

もちろん防振の威力は凄まじくて
視界がピタリと止まって見える。


唯一、弱点として挙げられるのは
色滲みがやや多いことだと思う。
FullSizeRender
白い柱の左側に紫の縁取りと
写真では分かりづらいけど
反対側に黄色い縁取りが出る。

バリアングルプリズムが手振れ補正
する瞬間に出るのかと思ったけど。
電源OFFでも同じように出るので
もともとの色収差が大きいのかな?
まぁ、色滲みよりも
防振の気持ち良さが完全に勝るので
実用上はほとんど気にならない。


最後に、ポロⅡ型プリズムについて
少し考えてみる。
FullSizeRender
ポロⅡ型の手持ち双眼鏡って
かなり種類が少なくて
ねずみが持ってる中では10×30ISと
ロス社のSTEPLUX 7×50の2台だけ。
FullSizeRender
このSTEPLUXのようなビンテージで
ミリタリーっぽい双眼鏡以外では
ほとんど見かけないポロⅡ型を
なぜCanonは現行の防振双眼鏡に
使っているのか?

その理由は↓の特許資料に記載がある。

公開番号1999-064738

ポイントとしては
ポロⅡ型の光路オフセットを利用して
眼幅調整が出来るってことと
FullSizeRender
ポロⅠ型よりも小型化
出来るってこと。

ポロⅠ型の場合
三角形のプリズムが
前後に突き出した形状のために
光軸方向に厚みが増えてしまうのと
プリズム自体が接眼レンズの邪魔になる
と言う弱点がある。

そのため接眼レンズ径を大きく
出来なかったり
FullSizeRender

接眼レンズを大きくするかわりに
プリズムから離した配置になる
場合が多い。
FullSizeRender

Nikonのミクロン8×30の記事でも
接眼筒にプリズムがちょっと
はみ出してるところを紹介した。

FullSizeRender
ポロⅠ型はこの辺のレイアウトに
苦労するようだ。



一方のポロⅡ型は三角のプリズムを
光軸に対して横に倒した形なので
光軸方向の厚みを薄く出来る。
FullSizeRender
尚且つプリズム射出面の周囲に
邪魔なものがないので
大きな接眼レンズでも射出面
ギリギリまで近づけられる。

すると光路径が最も細くなる
焦点の近くにプリズムがくるので
プリズム自体も小さくて済む。
対物側にもプリズムが突き出ないので
バリアングルプリズムを配置するにも
有利なことが分かると思う。

こうやって並べてみると
レイアウトの違いがよくわかる。
FullSizeRender
赤で囲んだ所がプリズムのスペースで
ポロⅡ型は接眼寄りでかなり薄い。
つまり10×30ISが防振装置付きでも
これだけ小型軽量に仕上がってるのは
ポロⅡ型のおかげなのだ!
・・・でもなんで世の中には
ポロⅡ型こんなに少ないんだろう?
もっとメジャーになっても良いのにな。


えっと、、偉そうに
いろいろ語っちゃいましたが
ポロⅡ型採用の裏には
開発者しか知らないもっと深〜い
理由があるのかも知れませんね。
ご存じの方がいたら
是非コメントいただきたいです。

FullSizeRender
10×30ISは対象物を観察するには
これ以上ないほどの性能を備えた
素晴らしい双眼鏡。

じゃあ、これ一台あれば
他の双眼鏡はもういらない!
かと言うと、そんなことはなくて
綺麗な景色を鑑賞する時には
もっとこってりした見え味の
6倍〜8倍が欲しくなる。

しかも10×30ISのニュートラルな
見え味の後にビンテージ双眼鏡を見ると
そのクセの強い味が際立つので
見比べるのがより一層楽しくなるのだ。

これから、出かける時は
防振+ビンテージの2台持ちが
定着しそうな予感。。
また荷物が増えちゃうなあ。

2022年最初のブログは
Canonの防振双眼鏡10×30ISの話

ねずみは正直、この双眼鏡を
入手すべきか迷っていた。

ずっと前からその性能を
確かめてみたいと思っていたのだけど
もしかしたらその圧倒的な性能に
魅了されてしまって
ビンテージ双眼鏡熱が冷めてしまう
のでは無いかと不安だったのだ。
(値段を見て躊躇しただけです)

ネット上の評判を見ても

防振の威力は絶賛されていて
単純な解像度ではツァイスや
スワロフスキーの
ハイエンドモデルを
超えるほど
優れているらしい。
これは覗いてみないわけにいかない。

しかし、、いざ買うとなると
特に決まった観察対象を持たない
ねずみが新品を購入するのも勿体ないし
なにより
ブログネタとして面白く無いので
いつものように中古のジャンク品を
漁ってみることにした。

んで入手したのがこちら。
ジャンクとはいえ1万6千円もした!
パピリオが新品で買えますね。
FullSizeRender
気になる状態は・・・
外観は文句なし。

電池の液漏れ跡があるけど
通電は問題無し。
FullSizeRender

光学系は
FullSizeRender
左側に強度の曇りあり!

視軸ズレもなかなか。

FullSizeRender
鉄塔の寸法から推定すると
上下ズレが約5分
左右ズレが内方約7分

少なくともJIS規格は外れてるし

像の倒れもあるように見える。

ただ、落下させた形跡も無いので
これは製造時からのズレなのかも
知れないなぁ〜。

この鉄塔を使ったズレの測り方は
鉄塔の記事参照↓

http://mouse830.livedoor.blog/archives/8753503.html


とまぁ
想像通りのジャンクな状態だった。

中古市場では2〜4万円くらいで
取引されているみたいだけど、
こういう状態のものが
沢山流通してるかと思うと
普通は手を出すべきじゃないと思う。
メーカー整備に出したら修理代
3万円くらいはかかると思うので
新品が買えてしまう。

では、ねずみはどうするかというと
もちろん自分で整備を試みますよ!
かなり実験的にやってますので
決して真似しないでくださいね。

いきなりカバーを開けたところ。
FullSizeRender
電子部品がズラリと並ぶ!
金属とプラスチックが
適材適所で組み合わされた構造で

この辺はカメラで培った技術が
生かされているんだろうな〜

こちらが心臓部、手ブレ補正装置
バリアングルプリズムのユニット
FullSizeRender
ガラス板2枚で透明な液体を挟んだ
構造になってるらしい
詳細はメーカーのHP参照。
カメラとは違って電子部品だけが
ユニット化されていて
工場での組み付けも簡単そう。


防振機能を取り外した
ただの双眼鏡の状態がこちら。

FullSizeRender
なかなか衝撃的な姿!!
防振装置が無いと
まるで荷台を外したトラックみたいに
スカスカになってしまう。

さらにメインフレームだけにしてみる。
FullSizeRender
プレス製の板金2枚を重ねて
スライドさせるだけの超シンプル構造!
全ての部品をこのフレームで
支持している。

前回のNikonミクロンの記事で
「基本を磨き上げた良い双眼鏡だ」
って話を書いたのだけど

ねずみが思ってた良い双眼鏡って、
軽量の金属を極薄に鋳造した鏡体に
内部は精密に機械加工してあって
ムラのない艶消し黒塗装仕上げ。

光路とプリズムがギリギリの隙を

保って巧妙に配置されていて
外側は手にしっくり馴染む曲線
上質なグッタペルカが貼ってあり・・・
IMG_7007
みたいな。
とにかく鏡体自体にいろんな機能が
詰め込まれていて、それらを
絶妙な設計と上質な仕上げで
成立させてるイメージだった。

ところがこの10×30ISは
そんな固定概念をあっさり覆す
簡素なフレームで出来ている。
確かに、
考えてみれば遮光だって外装だって
全体を覆うプラスチックのカバーを
着ければ問題ないし
レンズやプリズムも鏡体に
組み込まなくたってユニット化した
ものをくっ付ければ良い。
FullSizeRender
そうなると
左右の接眼レンズと対物レンズが
視軸を保ったまま前後に動いて
ピント調整出来るただのフレーム
ってのが本当は双眼鏡の基本
なのかも知れない。
ちょっと味気無いけどね、。
この簡素なフレームをベースに
こんなに評価の高い双眼鏡作っちゃう
Canonってやっぱり凄いな。


分解した後は液漏れでボロボロに
錆びてた電極を
クリーニング。
FullSizeRender

クリーニング後。
FullSizeRender
あまり変わって無い?
電池と接触するのは電極先端の
ギザギザ部分だけなのでこれでOK。


次に、一番問題だった
プリズムの曇りがこちら。
FullSizeRender

矢印の部分が一番酷くて

対物側の面もなかなか曇ってる。

プリズムは珍しいポロⅡ型。
台座のプレートとガッチリ接着
されていて外すことが出来ないので
なんとか拭ける面だけを拭いたけど

コーティングが自体が痛んでいたので

曇りは完全には落とせなかった。
FullSizeRender

メーカー修理の際はプリズムユニット

丸ごと交換になると思われる。


最後に難題の視軸合わせ。
この双眼鏡には視軸が
微調整出来るようなイモネジとか
二重偏心環などの機構が全く無い。

それどころか対物レンズ枠が
3箇所のネジと接着剤でフレームに
固定されていて、再調整なんて
考えられていないように見える。
FullSizeRender
ねずみは全てのパーツを分解
しちゃってるので、
すでに視軸は
メチャクチャになっている。

再調整をやるしかないのだが
調整機構がないのでどうしよう。。

結局、ネジを緩めてから
フレームとレンズ枠のガタの範囲で
対物レンズを手で動かして調整した。

FullSizeRender
なんとか頑張って
上下左右ともズレは1分程度に収めた、

ちょっと外方ズレになっちゃったのは
イマイチだけどこの辺が限界。


視軸も合わせて曇りも取って完全復活!
FullSizeRender
これで防振の真の実力を

見ることが出来る!

・・・と思ったのだけど、
覗くと10秒くらいで気持ち悪くなって
無意識に目を離してしまう。

ちゃんと視軸も合わせたのに何故??
他に考えられる原因って、
嫌〜な予感。

FullSizeRender
あぁ、やっぱり像の倒れがあった
しかも思ったより酷い。
正確にはこれは倒れ差の方で
左右の像の傾きが一致していない状態。

最近ねずみのブログで頻繁に
取り上げてる像の倒れ。

http://mouse830.livedoor.blog/archives/11741304.html
双眼鏡の調整を何十台かやってきて
視軸以上に重要ってことに気が付いた。


ねずみの場合
視軸ズレのある双眼鏡を覗くと
目の周りの筋肉がピクピクして
目が嫌がる。
一方、倒れのある双眼鏡を覗くと
目よりも先に脳が嫌がるのだ。

推測だけど
視軸ズレは眼球の向きを無理矢理
動かして補正しようとするのに対して
倒れの場合、眼球を回転(ロール)
させることが出来ない?ので
脳内で頑張って補正をかけようと
してるんじゃ無いかと思う。
どちらも気持ち悪いことには
変わりないのだけどね。


でも、待てよ??
像の倒れってプリズムの角度ズレで
発生するはずだけど
この10×30ISのポロⅡ型プリズムは
全て貼り合わせで作られてるので
ポロⅠ型のように衝撃でズレることは
あり得ない。
FullSizeRender
防振用のバリアングルプリズムも
像を回転させる効果はないので
もし狂ったとしても倒れは
発生しないはず。

これはもう一度分解して
ちゃんと検証する必要があるようだ。


その2に続く

今年最後のブログは
日本光学Mikron8×30 8.5°WFの話

IMG_7007

ミクロンって言うとちっちゃいやつを
想像すると思うけど
1950年代にニコンの双眼鏡の
ブランド名が全てMikronだった
時期があるようで8×30以外にも
いろんな機種が存在する。

IMG_7008
このミクロン8×30 8.5°WF
ねずみが最近整備した中でも
圧倒的に作りが丁寧で
見え味も抜群に良い双眼鏡なのだ!

・・・しかしこのフォルム
あの双眼鏡にそっくりですよね。

そう
CARLZEISS JENAデルトリンテム。
FullSizeRender
スペックは8×30 実視界8.5°と全く同じ

背の高さはほぼ一緒で
ミクロンのほうがやや胴体が太い。


一見、デルトリンテムのコピーか?
と思ったんだけど
分解整備してみると全く印象は変わり、
デルトリンテムの良いところを
取り入れつつ、本家デルトリンテムを
越えようとした気概のある
双眼鏡であることが伝わってきた。
販売時期もデルトリンテム1Qと
被っているのでもしかしたら
ガチンコ勝負を挑んでいたのかな〜?

そんな歴史的にも貴重な双眼鏡。
ねずみはコイツを3000円程度で
入手した。
、、まぁカビだらけですからね
整備無しではまともに見えないので
普通の人は敬遠するでしょうね。。
FullSizeRender
って事で整備に取り掛かる。

まずは接眼側からアプローチ
羽根を押さえているネジは真鍮製で
止めネジが2本も使われていて
安心感がある。
FullSizeRender
しかもツァイスみたいに
噛み合ってるネジ山のど真ん中に
ねじ込んだりせずに
ちゃんと平面の部分に締め込んである。
これは後のNikon8×30にも
受け継がれている良い
構造。

そしてここにも
NikonのDNAを感じるポイント。
左の羽根のハメあいがやたらキツくて
外れる気配がない。
FullSizeRender
この設定も後のモデルに
受け継がれてるんだけど、、
もうちょい緩くても良くない?と思う。

無理に外すと壊れる恐れがあるので
下陣笠の方から分解して

フォーカスリングごと引き抜いた。
FullSizeRender


鏡体カバーを開けると作りの良い
プリズム押さえ金具が現れる。

キレイな十字型に打ち抜かれていて
バリは無くサビも全く出ていない。

手抜き双眼鏡はこの金具の作りが
いい加減なのですぐに分かる。
FullSizeRender
矢印のところは
プリズム台座面の加工が接眼側の
遮光筒をうっすら突き破っていて
プリズムのコバが見えている。
可能な限り大きなプリズムと
大きなアイピースを組み合わせた
結果なのかも知れないけど、
遮光の面からは良く無いような?

一方、デルトリンテムは
ここは完全に塞がれていて
溝のついた遮光筒まで挿入してある。
コーティングが発明される前の
基本設計のためか迷光除去には
かなり気をつかっていたと思われる。
FullSizeRender


一方、ミクロンの後継Nikon8×30Aは
ここが大きく開いていてプリズムが
はみ出している。
FullSizeRender
コーティングの性能向上や
接眼レンズ構成の違いで
遮光の必要が無くなったのだろうか?
それとも単なるコストダウンか?
デルトリンテムとは全く対照的。

ミクロン8×30は両者の中間的な構造で
本格的なコーティング時代に移り変わる
過渡期の設計って印象を受ける。


またミクロン8×30の鏡体には
対物側と接眼側のプリズム室の間に
小さい穴が開けられており
中の空気が連通するようになっている。

FullSizeRender
これもデルトリンテムには無い構造で
おそらくピント調節時のアイピースの
動きに伴う内圧の変動を緩和する
ためではないかと推測する。
先程のプリズム台座の加工が接眼筒に
突き抜けてるのは空気の通り道を
形成する狙いがあるのかも知れない。
8×30Aにもこの穴は受け継がれている。
(追記: あくまで推測ですので、、
本当の理由をご存じの方がいたら
是非教えてください。)

基本構成はデルトリンテムを踏襲しつつ
細かく改善を入れてるところが
いかにも日本らしいな〜と思う。


プリズムはもちろんカビだらけ。。
FullSizeRender
プリズムに拭き傷をつけないように
クリーナーをカビに染み込ませて
溶かしながら落としていく。

幸いコーティング面が
侵食されてなかったので
カビ跡もわからないくらいに
取り除くことが出来た。
FullSizeRender
ミクロンのプリズムの真ん中には
迷光を低減する溝が彫られている。
これもデルトリンテムには無いのだけど
ねずみが見た中で古いものでは
ライツのBINUXITに同じ溝があるのを
確認している↓

http://mouse830.livedoor.blog/archives/9465716.html

対物筒はデルトリンテムそっくりで
光路を全てカバーする長い遮光筒が
ついたタイプ。
極薄の金属製で内部に細かい溝が
びっしり彫られているのも
デルトリンテムと同じ。
FullSizeRender
この部品の重さはなんと10gしかない!
fether-weightを謳っているだけあって
各部品が異常に軽い。

比較として
デルトリンテムの軽量モデルは9g。
ミクロンもかなり良い勝負してる。
FullSizeRender
どちらもおそらくマグネシウム製で
持った感じはプラスチックのような
重さでしか感じない。
レンズとプリズムが重い分
他の部品を極限まで軽くする、
双眼鏡の軽量化って大変だなぁ〜

総重量は実測値で
ミクロン8×30: 479g
デルトリンテム1Q: 512g
ニコン8×30A: 515g
ミクロンはかなり軽い!
ベンチマークがデルトリンテム1Q
だとすると大幅に上回っている。

ちなみにチャンピオンは
デルトリンテム軽量非球面モデルの
407g。これ以上軽い8×30を
ねずみは知らない。


最後にアイピースを
ざっと比較してみる。
ミクロンのアイピース直径は
25.4mmでちょうど1インチ。

FullSizeRender

デルトリンテムの方は
約24.5mmのツァイスサイズ。
FullSizeRender

当然ながらツァイスサイズなので
旧式の天体望遠鏡のアイピースとして
流用出来たりもする。
FullSizeRender
エルフレの広視界で高倍率を
味わえるのでなかなか面白い。
ニコンもツァイスサイズに
揃えてくれれば良かったのにな〜
8×30Aは何故かツァイスサイズより
小さい23mmとなっている。

ミクロンの接眼レンズは
かなり状態が良かったので
今回は分解しなかったのだけど
どこかでレンズ構成の比較もしてみたい。

光学系のクリーニングが終わったら
前回の記事で紹介した
像の倒れ調整↓もバッチリやった。

http://mouse830.livedoor.blog/archives/11741304.html
FullSizeRender

視軸のほうも眼幅60mmと
70mmの平行器を
使って
主軸にほぼ一致させたうえで
64mmで上下ズレほぼ0、内方ズレ1分
ぐらいまで
追い込んだ。
各部品の精度が良いので
視軸調整はかなりやりやすかった。

そんな感じで整備を終えた
mikron 8×30 8.5°WF
FullSizeRender
プリズムカバーも少し磨いただけで
ピッカピカ!
塗装の質は世界の双眼鏡の中でも
トップクラスだと思う。

気になるミクロンの見え味は

やや平面的でシャープネスが高く

8×30Aに似た明るさもありながら
デルトリンテムのような周辺部の
ボケもあわせ持っている。
それでいて黄色の着色が薄くて
パサッと乾いた見え方をするところは
ミクロン独特の味。

こちらがミクロン8×30で見た景色
IMG_7644


参考に
デルトリンテム1Q
IMG_7650
ツヤがあって立体的。
背景の木の枝が主張せずに
手前の緑の葉っぱだけが浮き上がって
見えるのはさすが。


8×30A
IMG_7646
パッと明るくて華やかに見える
やや線が太めかな?

ミクロン8×30は
表現力ではデルトリンテムに
及ばないものの単純な光学性能では
デルトリンテムを凌いでいると感じる。


それと
どう表現していいか
分からないのだけど
視界の安定感がとっても良くて
覗いた瞬間に良い双眼鏡!
ってのが伝わってくる。
この「良い双眼鏡」の感覚は
1Qになる前のデルトリンテム
軽量エルフレモデルにも感じるのだけど
原因が何なのかはよく分からない。
左右の光学性能がピッタリ揃ってる
ってことなのだろうか?

このミクロン8×30のような
古くて良い双眼鏡に出会うと
新しいモノが良いモノとは限らないな
とつくづく思う。
最近の双眼鏡にはEDガラスとか
フーリーマルチだとか
優れた材料のモノは山ほどあるけど
このミクロン8×30には
基本を磨き上げたモノだけに宿る
スペックに現れない良さがある。

こういう出会いがあるので
まだまだ双眼鏡趣味はやめられない^ ^
来年も良い出会いがありますように!

今年一年ねずみブログを読んでいただき
ありがとうございました
来年もよろしくお願いします。

管理人ねずみ

今回は像の倒れについて
書いてみようと思う。

視軸調整については何回か書いてるけど
その前に行うべき
像の倒れ調整について
まだちゃんと書いて無かった。


これまた
正確な情報が見つからない中で
ねずみがいろいろ試してたどり着いた
独自のノウハウなので
参考にする方は自己責任で。
そしてもっといい方法をご存じの方は
是非教えて欲しいし
間違いがあったら指摘して欲しい。



まず。
像の倒れとは何か?

FullSizeRender
ゾウの倒れでは無い!


・・・気を取り直して。

像の倒れとは
双眼鏡を覗いた時に
像が傾いている角度のこと。


プリズム双眼鏡って
レンズで上下左右が反転した像を
プリズムで何回か反射させる事で
正立像に直して見ているものなので
プリズムの反射面間の角度がズレると
ピッタリ正立にならずに
ちょっと傾いた状態になる。


例えばポロ式の場合
ポロプリズム2つの交差する角度が
90°からズレると倒れが発生する。
倒れ
プリズムの角度誤差に対して
像は2倍の角度で倒れる。

倒れ差は
左右で倒れっぷりが違う場合の
角度差のこと。

倒れ差

中古の双眼鏡を買う時
視軸のズレを気にする人が
多いと思うけど

像の倒れを気にする人はそんなに
いないんじゃ無いかな?

しかしビンテージ双眼鏡ともなると
像の倒れが出てるものは
結構あるので
注意が必要だと思う。

ねずみが以前紹介した
デルトリンテム1Qもそうだった。

この時は平行器を通して
約100m先にある標識の柱を見た時に
傾きが一致していないので気がついた。
FullSizeRender
小さい丸の中が平行器の
プリズムを通った側の視界。
倒れ差0.5°〜1°くらいかな?


JIS規格では高性能品のAA級で
像の倒れ±1.0°以内
像の倒れ差30分、つまり0.5°以内
となっている。

ねずみの感覚ではこれは結構緩くて

0°狙いでビタビタに合わせた方が
覗いていて気持ちいい。

それと倒れよりも倒れ差の方が重要で
倒れ差が0.5°もあると結構違和感がある。


例えば下のCADで引いた線。
赤線に対して青線は0.5°傾いている
FullSizeRender
ぱっと見で傾いてるって分かる。
0.5°って結構大きいでしょ?


このデルトリンテム1Qを調整した時は
レンズまで組み上げた状態で
平行器を通して覗いた時に
道路標識の柱の傾きが
一致するように
プリズムの角度を動かして調整した。

倒れ差0.5°以内には合わせられている
と思うけど。
絶対的な倒れの調整が
出来ないのでこの方法では
共倒れが回避出来ないことは
過去
に書いている↓
http://mouse830.livedoor.blog/archives/8978567.html

それから色々な方法を試して
絶対的な倒れまで
調整できるように
なったので公開しようと思う。

用意するものはまたもや平行器

やり方はホントに単純で
まず一本真っ直ぐな線を描いた紙を
壁に貼る。

FullSizeRender
それから
プリズムだけを組み付けた双眼鏡を
三脚にセットして
片側のプリズムだけ
平行器を通して
壁の線を見る。

FullSizeRender
この時、平行器の片側は
双眼鏡のプリズムを通さずに
直接壁の線を見る。

絵にするとこんな感じ
FullSizeRender
この状態で平行器を覗いて
2つの線が平行になるように

プリズムの傾きを調整するのだ。

例としてNikonの8×30Aを
調整した時の様子
FullSizeRender
上にある線が双眼鏡のプリズムを
通った方で、微妙に左上がりに
傾いているのがわかると思う。
この倒れをプリズムの角度を
変えることで調整していく。

プリズムの角度調整は
押さえ金具を少し緩めておいてから
プリズムのコバ(側面)を押して
ガタの範囲内でズラすことで行う。
FullSizeRender
注意点としては
絶対にマイナスドライバー等の
金属の道具を使わないこと!
プリズムのガラスは非常に脆いので
硬いものを当てるのは厳禁。

ねずみは先端を削った割り箸なんかを
使っている。


もともとのプリズムのガタだけでは
調整範囲を超えている場合
プリズムの側面をダイヤモンド砥石等で
うっすら削ってガタを増やす。


調整後はこちら
FullSizeRender
かなり平行になってる。

完璧に調整した平行器であれば
平行器単体の倒れ誤差は0°なので
壁の線を基準にすれば
絶対的な0°を基準に調整が出来る、
つまり共倒れも回避出来るという事。

さっきの赤線と青線の絵で見たように
0.5°のズレは人間の目で容易に
判別可能なことが分かっているので
目で見て完全に平行と感じるところ
まで持っていけば
倒れは0.5°以内に調整出来ている
と言うことになる。


最終チェックは左右のプリズムを
通した視界を平行器で重ねて見る。
FullSizeRender


一直線に重なって見えれば
倒れ差も0.5°以内に収まっている。

IMG_7228
と、こんな具合でやるのが
最近のねずみの定番になっている。

ここまで倒れ差を取り除いた双眼鏡は

覗いていて本当に気持ちがいいし
長時間覗いても酔いにくい。


この方法では
平行器を通して見える視界が
広ければ広いほど傾きが判別しやすく
なって精度が良くなる。

倒れ調整専用に
覗き窓がやたら大きくて
眼幅が極端に狭い平行器を作っても
良いのかもしれない。
FullSizeRender
こんなやつ
今度暇があったら作ってみようかな。



・・・余談ですが

ゾウの倒れのネタのために
わざわざ粘土でゾウを作ったので

ついでに
当ブログのメインキャラクター
ねずみ工作研究所のねずみ
作っておいた。

FullSizeRender

FullSizeRender
何を見ているんでしょうね?
彼は今後もこのブログに
登場するかも知れません。


話がそれたけど、、
以上が最新の

ねずみ流像の倒れ調整。

もっと良い方法が見つかれば
その2を書いてみようと思います!

今回はちょっと趣向を変えて
リーズナブルな双眼鏡

ペンタックスの8×24UCF
通称「タンクロー」を取り上げてみる。
FullSizeRender

ねずみが入手したのは

ちょっとレアな白い外装の中古品で
SPORTSと書いてあるけど防水でも無く
ただの色違いみたい。
IMG_6563
やや古いMADE IN JAPANモデル。

このタンクロー
現行品でも実勢価格6,000〜9,000円
程度と
かなりの廉価であるにも関わらず
及第点の光学性能を
確保している。

一言で表現するなら
「最も安く手に入るまともな双眼鏡。」
・・・逆に言うと
これより安くてまともな双眼鏡は
存在しないし、買ってはいけないと
ねずみは勝手に思っている。
(個人の感想です)

たまに景色のいい観光地に行くと
ホームセンターで安く売られてるような
粗悪品双眼鏡を構えている人を
目撃することがある。

そんな時ねずみは

「せめてタンクローを買ってきてくれ〜
せっかくの景色がもったいない!」
と心の中で思ってしまうのだ。


そんなタンクローだけど
中古品で程度の良いものはなかなか
無いようで、今回整備する個体も
しっかりカビが生えていた。
FullSizeRender
対物レンズの曇りもあったので
例のごとく徹底的に分解クリーニング
することにした。

ねずみの経験上
プラスチック製の双眼鏡は
接着剤が多用されていて分解=破壊
となる事が多いのだけど

このタンクローは全ての部品が
ねじで結合されているので分解が可能。

(プリズムのセメントは除く)
おそらく分解整備に耐えられる双眼鏡
の中で最も廉価とも言えると思う。

分解にはまず外装のラバーを全て剥がす。

FullSizeRender
両面テープでくっついてるだけなので
簡単に剥がれる。

銘板の裏にネジが隠れているので
これも剥がす。
FullSizeRender
接眼側真ん中のカバーを外すと
金属のプレートが現れるのでこれも外す。
この板は左右の鏡筒を保持しながら
2軸の回転軸を作っている重要な部品。
赤矢印の所が接眼側の回転軸になってる

FullSizeRender

左右の鏡筒はギヤで噛み合っていて
連動して開く仕組みだ。

FullSizeRender
ペンタックス独自の2軸構造で主軸が無い

この構造は剛性を出すのにも
貢献してるだろうし
三脚ネジが下から付けられるのも便利。
これ考えた人ホントに尊敬してしまう。

次に上面に付いているハッチを開けて

フォーカスリングを取り外す。
FullSizeRender
ダイヤルの回転に応じて前後に動く
2本の爪(赤矢印)が左右の対物レンズ筒の
溝(青矢印)に引っ掛かっていて

この爪で対物レンズを
動かして
ピント調整する機構。
これは前回紹介したダイアスポーツと
似ている。


特徴的なのはディオプターの構造で、
フォーカスリングの真ん中に付いてる
もう一つのダイヤルを回すと
右側(写真では左側)の爪だけが
独立して前後に動くようになっている。

FullSizeRender
これで左右の対物レンズの移動量を
変えて視度補正するのだ。

ほんとによく考えてるな〜と感心する、
メカ屋さんが考えた双眼鏡って感じ。

フォーカスリングを外せば
左右の鏡筒が完全に分離できる。
FullSizeRender
分解出来たら
光学系のクリーニング作業に移る。


対物レンズを取り出して問題のカビを
除去していく、
矢印のとこがカビ。
FullSizeRender
ねずみはクリーニングに何種類かの
薬剤を使い分けていて
カビに対してはフジフィルムの
クリーナーが効果的なことが
なんとなく分かっている。

まず試しに無水エタノールで拭いてみると
FullSizeRender
カビ本体は取れたけど
跡が残ってしまう。

次にフジフィルムのクリーナー
FullSizeRender
カビ跡までかなりキレイに取れた。
アルカリ性が効くのだろうか?
油汚れもよく取れるので
ねずみはこれを愛用しているが
お値段はすこぶる高い!

カビは除去したものの、このレンズには
致命的な欠陥があって、、
それがこの曇り!
FullSizeRender
しかも表面ではなく
レンズ貼り合わせの接着剤が劣化して
曇っている。

今回ねずみは
禁断の「
バルサム剥がし」を
やってみる事にした。

貼り合わせレンズを一旦剥がして
汚れを除去してから最接着するのだ、
この曇りを取るにはこれしか
方法がない。

ドイツ製ビンテージ双眼鏡なんかだと
怖くてやれないけど
ジャンクのタンクローなら
チャレンジしてみても良いかなと。。

但し、一度剥がしてしまうと
レンズどうしの外径合わせで
再接着することになるので
光学的な芯出しが出来なくなる。

つまり工場出荷状態の性能には
戻らない。

しかし、、最初からこんなに
外径がずれてることってあるのかな??
FullSizeRender
不安だけど、とにかくやってみる。

熱湯に浸けたらあっさり剥がれた。
FullSizeRender
剥離した面からは
強烈な化学物質のニオイが漂う、、
明らかに天然バルサムではないものが
使われているようだったが
この接着剤は無水アルコールで
簡単に除去する事が出来た。

貼り合わせにはUVレジンを使う、
透明性が高くて黄変しないと評判の
パジコの「星の雫」と言うレジンを
使ってみた。
FullSizeRender

レジンを垂らして貼り合わせたら
ゆっくり回しながら気泡を抜いていく。
レジンの量が多すぎるとこんな風に
横から溢れてくるので注意が必要。
FullSizeRender
厚みが出ないようしっかり押さえてから
溢れたレジンを拭き取る。
外径合わせで位置を決めたら
UVライトで接着、もう後戻り出来ない!
FullSizeRender

貼り合わせ作業は成功で
スッキリ曇りの無い透明感が戻った。
FullSizeRender


プリズムの方もカビを落として
クリーニングする。
FullSizeRender

プリズムはセメントで固定されてるので
手で押してバキッと剥がす。
戻す時はセメントの破断面が
ピッタリ噛み合うようにすれば
プリズムの位置がズレないので
付着したセメントはそのままに
しておく。


最後に視軸調整のやり方だけど
このブログではまだ紹介していない
プリズムを傾ける方式。
FullSizeRender
詳しくは説明しないけど
プリズムをイモネジで横から押す事で
プリズムが傾いて視軸が動く仕組み。

組み付け後は
イモネジがこの位置に来る。

上が上下の調整で、横が左右の調整
FullSizeRender
ネジを締めた時に
視界がどちらに動くかは

実際やってみるとわかると思うけど
上下と左右では逆の動きをするので
ちょっと慣れが必要かも。


整備を終えたタンクロー
FullSizeRender

こちらが
整備後のタンクローで見た景色。
スマホの写真なのであくまで参考で
FullSizeRender
視野もそこそこ広くて
周辺までハッキリ見えてクセがない。
バルサム再接着による
光学芯ズレの影響は
ねずみの目には
全く分からなかった。


比較として同じ逆ポロの
ヘンゾルト・ダイアスポーツ

FullSizeRender
クセのある歪みとクローズアップされた
中心部のシャープさに感動を覚える。



タンクローの見え味は
決して感動的ではないけれど
特に悪い所も見当たらなくて
この値段でこれだけよく見える
双眼鏡って貴重だと思う。
最新のモデルは見たこと無いけど
もっとよく見えるのかも知れない。

双眼鏡に1万円以上出すのはちょっと
理解出来ない!って人や
とにかく安いやつ一台あればいい、
って人には
是非オススメしたい双眼鏡。

・・・って
そんな人はこのブログ読んでないか?!

↑このページのトップヘ